入試問題に挑戦第39回

<問題>

ある国語辞典では、次のようなきまりにしたがって見出し語をならべています。

@     見出し語をかな書きにして、あいうえお順(五十音順)にならべる。

A     一字めが同じ発音の場合は二字めで、二字めも同じ場合は三字めで決めるというふうに、五十音順にならべる。

B     濁音の「ば」「ぶ」「ぼ」などは清音の「は」「ふ」「ほ」のあとに、半濁音の「ぱ」「ぷ」「ぽ」などは濁音のあとにならべる。

C     拗音の「ゃ」「ゅ」「ょ」や促音の「っ」などのような小さい文字で書くかなは、ふつうの「や」「ゆ」「よ」や「つ」のあとにならべる。

D     のばす音(長音)をふくむ言葉は、たとえば「コーヒー」を「コオヒイ」と考えるように、その上の母音をくり返した形におきかえてならべる。

E     見出し文が同じ発音の場合は、ひらがなを先に、カタカナをあとにならべる。

F     見出し語の読みが全く同じ場合は、あてはまる漢字の一字めの画数が少ない方から順にならべる。漢字の一字めの画数が同じ場合は二字めで、二字めも同じ場合は三字めで決めるというふうに、画数の少ない順にならべる。

問 次の1〜5の語群の言葉を、右のきまりにしたがって、それぞれならべかえて記号で答えなさい。

1 ア 不安     イ ファンファーレ  ウ ファミコン

2 ア  ( ひょう )       イ 美容       ウ 費用

3 ア しょっぱい  イ 食器       ウ しょっちゅう 

4 ア ヒント    イ びんづめ     ウ ピンセット

5 ア 成果     イ 正価       ウ  生花 ( せいか )  

2002年度 聖光学院 一次 より)


 

入試問題に挑戦第39回解答編

<解説>

国語辞典を使った学習ができているか、条件に従って整理できるか、そんな「国語」以上の能力を測定するような問題です。単純に、Bの条件だけにしたがって4を解くとむちゃくちゃになりますね。つまり、「並べかえ」とはいうものの、単なる整理ではなく、辞書に載っている順という「条件整理」ということです。辞書に載っていることを想定して解く必要があります。たとえば、問題には書いていませんが、ピンセットの前後の言葉を思いうかべてみましょう。「ひんしつ」→「ピンセット」→「ひんそう」などの並びがあって、三文字目の「サ行」→「タ行」への移行があるということです。決して一文字目の「ひ」「び」「ぴ」の順番で決まるわけではないですね。国語辞典によって、語のでてくる順序やルールは若干の違いがあるわけですが、国語辞典を使ったことがあるか、その経験値が正解を出す正確さと安定感を生みます。5には画数の問題なども潜ませていて、作問者のセンスの良さが光る良問と言えましょう。

<解答>

1 ウアイ  2 ウアイ  3 イウア  4 ウイア  5 ウイア