NO.116

2003年 11月 15日 
アクセス教育情報センター

目次

学校情報

公開模試情報 教育情報   その他
聖光学院

神奈川学園

洗足学園

横浜雙葉

芝浦工大柏

首都圏模試11月

10月度三模試入試日別志望者数

センター試験1

センター試験2

小学生の国語力強化

先生もFA宣言

学力テスト

  生活リズムと学力

進学塾に受講料返還命令

入試問題に挑戦第96回

学校情報

聖光学院 学校説明会(03年11月1日)
1)静岡聖光 ピエール・ロバート校長
 姉妹校であるため、紹介の機会を頂きました。静岡聖光は中高合わせて700人と決して大規模校ではありません。生徒数に比べて教職員の数が多く、面倒見がよく、家庭的な雰囲気を醸し出しています。静岡県内120校の高校の中でも上位にランキングされていますが、これは寮生の学習が規則正しく行われているからだと思います。静岡聖光のよさには、生徒に対する先生方のリスペクトや、深い研究心などが挙げられます。
 静岡聖光を簡単に紹介すると、野心のある学校です(創立以来50人以上の博士を育ててきました)、勇気のある学校です、小さくて大きなものを夢見ている学校です、辛抱のある学校です、親切な学校です、要求深い学校です、質素な学校です、そしてアカデミックな内容を持つ学校です。
2)トーマス・トランブレ校長
 (カナダから48年前に来日し、聖光の校長に就任して19年目)
<建学の精神>
 「カトリック的世界観にのっとり、人類普遍の価値を尊重する人格の形成、あわせて高尚、かつ、有能なる社会の成員を育成する」
非常に抽象的な言葉なので、実際にどの様な意味なのか、どうやって本校の教育活動の中で実践するのかを、数年前に生徒会新聞に載った記事をもとに紹介します。
生徒たちが生地指導係の先生に次の質問をしました。
Q.先生方は新入生に対してどんな教育を施したいと思っておられますか?
A.一言で言えばトーマス校長が言われる「紳士たれ」という言葉につきます。紳士というのは静かなる勇気を持つ者です。強い心と優しい心を兼ね備えるものです。つまり普段は大人しくてもやるべきときは公然として実行する、弱者に対する思いやりと社会に対する貢献ができる人間です。また、聖光学院の教育理念の一つに「神様を尊敬する気持ちを通して、その愛の教えの実践を目指すためにお互いを助け合う人間、ボランティア活動にも喜んで参加する心を持つ人間を育てる」というのがあります。よく「人に迷惑をかけない人間になれ」という言い方をしますが、本校では「人の役に立つ人間になれ」と校長が言います。
聖光学院はカトリック学校です。どの様な時代の変化があろうと、その変化に対応しながらも、本校の具体的方針は常にカトリックという視点で見直されます。それはカトリック学校である本校の長所です。ですから東大一直線にはなり得ません。しかし、どの大学にも挑戦できるような能力を生徒につけたい、それは全生徒が大学進学を目指す以上、それに対応できるしっかりした学力を身につけるということが根幹であると思います。また、それが教師と生徒との相互信頼の土台であるように思います。
46年前に定められた本校の建学の精神がこの様に今、本校の先生と生徒に理解されることは校長として大変嬉しいことで、これ以上建学の精神や教育方針について私から加えることはないと思っています。
<進学指導と宗教教育>
 本校の教育方針には2つの柱があります。
@大学進学に至る学力の養成  →→→→→→ 後ほど工藤教頭先生から
Aキリスト教精神を生徒に理解させ、実践させる
「聖光学院宗教活動のご案内(説明会資料)」より
◇聖書研究会
週1回少人数のグループで聖書を勉強します。一般の生徒は自由参加ですが、中1は全員に参加してもらっています。それは6年間学校の宗教行事などに参加する全校の生徒がある程度聖書およびキリスト教について共通意識を持つ必要があるからです。
キリスト教では特別に重要視される奉仕の精神を育成するために、色々な形でボランティア活動を生徒に勧めています。とくに現在メインの活動としては、オリーブ工房(中区本牧・精神薄弱児施設)へ出かけて手伝ったり、本校の行事に招いて参加してもらったりしています。また、この週末に行われる足長募金活動に参加したりもしています。
<生活指導>
 本校の生徒の行動基準は一言で言えば「紳士道」につきます。校則の存在意義は、学校という教育共同体の中で勉強にふさわしい集団秩序を維持し、人間形成のための望ましい教育環境を保つためのものです。資料に紹介してある生徒心得・生徒規律は、生徒と先生が一緒になって検討し、理解し合った上で見直されていきます。そして、生徒はこれを守るように努力するということで、本校の校則は一種の「紳士協定」ということを考えています。
ただ、全てがいまくいくというわけではなく、時には反抗や反発する生徒もいます。これは難しい成長段階にいる生徒の教育に携わる教師の宿命と考え、注意したり、叱ったり、反省させたりということも必要に応じて行っています。
<平成16年度入試について>
 詳しいことは、内田入試委員長より
合否の判定基準は、試験の成績が第一です。本校の入学のための推薦状などはまったく関係ありません。合格ラインはここ数年平均値で1回目64%、2回目66%となっており2回目は募集人員が少ないので1回目よりも厳しくなっています。
3)工藤誠一教頭先生
 (コンピューターによるスライドを使いながら学院の様子を紹介)
<個の自律と群の創造>
 聖光学院では、生徒一人一人がそれぞれの個性や資質を自律し、同時にその一人一人が群としてさらに価値あるもの社会に築き上げていくことが大事だと考えています。
 本校は昭和33年に創立され、根岸森林公園が近くにあり環境に恵まれています。また横浜の中心にあたる中区にある男子校は本校だけです。1クラス45名の5クラス編成(225名)で、高校2・3年では6クラス編成になるので1クラス平均36名位になります。
<盛んなクラブ活動>
 進学校ではありますが、クラブ活動は非常に活発です。公立中では少子化で人数が少なくクラブ活動にも影響がでており、とくに横浜の中心ではより深刻です。そのような中にあるので、本校のクラブは区大会ではどの競技でもたいだい優勝できるだけのレベルにあります。テニスコートは計6面あり、軟式・硬式の2つのテニス部があります。野球部は軟式しかありませんが、硬式に比べて大会でも上位に進出しやすい(神奈川県大会で昨年準優勝、一昨年優勝)ので、目標を持ってがんばれます。バスケットボールは神奈川県の中学校の大会で優勝(県下590校中)し、関東大会でベスト8になりました。
 職員室はできるだけ入りやすいように、立ち机や質問スペースを用意しています。食事はお弁当が基本ですが、食堂にも様々なメニューを用意しています。食堂は昼休みだけでなく、放課後の談話室としても使用可能です。
<行事を通して楽しさを>
 学校は「楽しい」ところか、「つらい」ところかというと、どちらかと言えば「つらい」ところでしょう。だからこそ、本校では勉強だけでなく学校行事をとても大切にしています。多くの学校では週5日制の導入などで行事を縮小する傾向にありますが、本校ではむしろ逆に行事を増やす方向にあります。
聖光の主な学校行事
@聖光祭
文化祭にあたる聖光祭は、毎年4月下旬に行われています。生徒一人ひとりが何らかの役割を持ち日頃の研究の成果を発表したり、手の込んだプログラムでお客様を楽しませたりします。ほとんど、生徒の自主運営に任されており、高校生は手腕を問われる場でもあります。また、入学間もない中1の生徒もコーラスなどで参加してもらいます。
A体育祭
生徒の自主運営に任されるもう一つの大きな行事は、秋に開かれる体育祭です。全校生徒が5つの組に分かれて色とりどりの応援合戦で盛り上がります。いつもは机に向かっている聖光生が、力のぶつかり合いを見せる騎馬戦や棒倒しのパワーには目を見張るものがあります。
B高校修学旅行
高校2年の7月に5泊6日の北海道修学旅行を行っています。羽田から空路釧路へ向かい、釧路からはバスで移動します。おもに道東方面を回り雄大な自然を満喫します。日程の中には生徒の希望を取り入れた2日間のオプショナルツアーも組み込まれています。
C古都研修旅行
中学校で学ぶ日本史や美術の集大成として、中学2年の3月に奈良・京都方面へ3泊4日の研修旅行を行っています。貴重な文化財に触れ、日常の学校生活では得られない知識を吸収すると共に友人同士の相互理解を深めています。
D夏のキャンプ
中学1・2年生は、猪苗代湖畔にある「聖光ボーイランド」(約15000坪)で、自然に親しみながら基本的なキャンプ技術を習得して、自立心を養っています。高校1年は、希望によって猪苗代湖畔でのキャンプと山梨県の登山キャンプとに別れて、中学の経験を生かして野外生活を実践しています。
E海外研修旅行
中学3年生の希望者には、夏休みと春休みを利用した海外研修旅行を行っています。行き先としては、夏休みはカナダとイギリスを、春休みはニュージーランドを選べます。現地の一般家庭へのホームステイや語学研修の体験を通して、国際理解と国際協力の意識を育むことを目的としています。
Fスキー教室
中学3年の1月には志賀高原でのスキー教室が実施されます。現地のインストラクターによってクラス分けされレベルにあった指導を受けることができます。
<勉強だけでなく教養も>
「選択芸術講座」
 国際化の時代と言われ、幼時からの英語教育が声高に叫ばれる昨今ですが、英語教育が国際教育のすべてとは考えられません。もちろん英語は非常に重要な言語ではありますが、世界には英語の通用しない地域もあります。そんな折に人と人をつなげるのは何でしょうか。本校では昨年度から、その答えの一つとして、選択芸術の授業を実施することになりました。言葉が通じなくても、美しいものを知り、鑑賞し、体験する喜びは一つだと考えたからです。
 現在、中学2年生の土曜日の3・4時間目を使って、20人から30人程度の少人数のグループに分け、外部から専門の講師を招いて講座を開講しています。受講する中学2年生の中には、まったくの初心者も数多くいますが、1年間続けるとしれなりに演奏したり、作品を造ったりしていますから、生徒の気持ちの入れようもわかるというものです。
現在開講中の講座  声楽・ヴァイオリン・クラシックギター・フルート・クロマチックハーモニカ・リコーダー・絵画・陶芸・木工・書道・演劇
「聖光塾」
 聖光で「塾」と聞くと、おや?と思われる方も多いでしょう。しかし、この「塾」は「学習塾」ではありません。夏休みの1日から数日を使って、いわゆる学力向上とは別に、さまざまな体験を通して教養を高めることを目的としています。必ずしも中学・高校の授業の枠にこだわらず、かといって単なるお遊び・イベントでは終わらない、自由参加・学年非限定の啓蒙的な講座なのです。
 外部から特別講師を招き、大学で学ぶような本格的・アカデミックな内容をふんだんに盛り込んだり、日常ではなかなかできない、「生きる力」おw育むための体験的な学習をめざしています。
本年度開講の講座
 ★おもしろ実験教室(生物の世界の黄金比など、教科書では扱わない実験を体験する)
 ★里山の自然(青葉区にある寺家の森で、五感をフルに使った自然観察をおこなう)
 ★水泳教室(横浜市水泳競技会への参加を目標とした、技術・泳力向上のための練習)
 ★環境生命科学教室(プレゼンまでを視野に入れ、DNAに関する実験をおこなう)
 ★海辺の生物(三浦半島の磯辺でタイドプールを観察し、海辺の生物について学ぶ)
 ★しし座流星群の観察(天体についての講義を受け、しし座流星群を観察する)
 ★ルポライター体験(任意の企業を取材し、レポートを作成し発表する)
 ★裁判の傍聴(弁護士による事前講義の後、実際の刑事裁判を傍聴する)
 ★陶芸(主として選択芸術で希望しながら選に漏れた生徒を対象とした陶芸教室)
 ★放射線実習セミナー(放射線に関する講義を受けた後、測定などの実験をおこなう)
<私学だからできること>
 本校は週6日制を採用しています。毎週土曜日を休みにするより、5月の連休中や9月のはじめなどにまとめて休みをとる方がメリットは大きいと考え、実施しています。また、指導要領にとらわれず、吸収力のある中学段階で、より多くの英単語をマスターさせるなど、独自のカリキュラムを組んでいます。
<教育の本質>
 中学・高校での教育というのは、大学進学のための学力をつけるということだけでなく、子供が自分で自分の進む道を見つけ、歩いていけるような力を身につけさせることです。教育の本質は、本来「一人ひとりの資質をのばすこと」にあります。学校を大学への進学ツールとして利用しようという考え方ではなく、子供の資質をのばしてくれるところとして信頼して預けて頂けるような方に入学してもらいたいです。
4)入試委員長 内田先生
<生徒募集要項>  @は第1回入学試験、Aは第2回入学試験
募集人員 @175名     A50名
出願資格 平成16年3月に小学校を卒業する男子で、本校において高等学校まで継続して勉学し、さらに上級へ進学を希望する、原則として自宅通学の可能な児童。
出願手続 期間 1月10日(土)〜1月15日(木) ※第2回については2月3日(火)も可
           1月10日は午前8時から。11日は除く。12日は受付。
       時間 午前9時〜午後3時
     ※写真の裏に必ず名前を記入するようにして下さい。
     ※郵送による出願は受け付けておりません。
試験科目 国語(60分150点)・算数(60分150点)・理科(40分100点)・社会(40分100点)
試験日時 @2月2日(月)午前8時集合 A2月4日(水)午前8時集合
合格発表 @2月3日(火)午前9時   A2月5日(木)午前9時
      合格者は発表当日12時までに本校受付にて受験票へ合格印を受け、入学手続
      書類の交付を受けて下さい。
入学手続 @発表当日午後5時まで   A発表当日午後4時まで
       納入金 入学金250,000円(入学手続当日・現金可)
設備拡充費 230,000円(2月27日(金)まで)
その他  ※第1回・第2回入学試験の両方を出願し、第1回で合格後、2月27日までに入学手続きを完了した場合、第2回の入学選考料は返金いたします。
      ※2月8日(日)午後1時、新入生の招集日として登校いただくことになります。

<帰国生入試要項>
募集人員 若干名
出願資格 小学校第1学年以降、海外在住期間が通算2年以上。
       平成16年3月に小学校を卒業する男子で、本校において高等学校まで継続して勉学し、さらに上級へ進学を希望する、原則として自宅通学の可能な児童。
出願手続 期間 11月25日(火)〜12月5日(金)
           11月30日、12月3日は除く。
時間 午前9時〜午後3時
    ※郵送による出願も受け付けています。(12月5日必着)
試験科目 国語(60分100点)・算数(60分100点)・英語(30分50点)
試験日時 1月11日(日)午前9時集合
合格発表 1月12日(月)午前9時
      合格者は入学手続書類の交付を受けて、発表当日12時までに手続を完了して下さい。
      納入金 入学金250,000円(入学手続当日・現金可)
設備拡充費 230,000円(2月27日(金)まで)
その他  ※2月8日(日)午後1時、新入生の招集日として登校いただくことになります。

学校内での授業やクラブ活動の時間、家庭学習の時間(1日2時間程度)を考慮すると、通学時間の目安は90分までと考えています。
特記事項については、具体的な事柄(英検3級、受験時の配慮等)を記入して下さい。何も記入がなくても合否には全く影響がありません。
現在、遠方に居住しており、4月までに引っ越し予定がある場合、現住所のままで出願頂けます。
試験当日は、午前8時から午後1時くらいまでかかりますので、試験の合間に軽い飲食をとって頂いて結構です。
試験当日にやむを得ず遅刻しそうな場合には、必ず学校へ電話連絡をして下さい。
合格判定は試験の合計得点のみで行います。科目別の合格最低点は設けません。

<2003年入試結果>(説明会資料より)
★応募者数等
      募集人数 応募者数 受験者数 合格者数 倍率(実質倍率)
第1回   175     864    779   251   3.5(3.1)
第2回    50    1100    602   120   9.2(5.0)
帰国生  若干名    123    121    32   3.9(3.7)
★第1回 科目別得点結果
          国語    算数    理科    社会   全教科
配点       150    150    100    100    500
合格者最高   126    141     97     96    427
合格者最低    52     40     43     60    306
合格者平均  93.7   96.9   67.4   79.7  337.9
受験者平均  82.6   73.0   58.0   73.0  286.6
★第2回 科目別得点結果
          国語    算数    理科    社会   全教科
配点       150    150    100    100    500
合格者最高   135    150     94     85    435
合格者最低    69     69     52     36    334
合格者平均 100.4  117.3   76.1   67.7  361.4
受験者平均  81.3   83.9   66.4   61.4  293.0
★帰国生 科目別得点結果
          国語    算数    英語   全教科
配点       100    100     50    250
合格者最高    79    100     50    203
合格者最低    39     57      0    129
合格者平均  54.8   78.0   29.4  162.2
受験者平均  45.7   52.6   25.6  123.9

雑感
 学校説明会では担当の先生がメモを見ながら事務的に話を進め行くことが多いのだが、スタンドマイクではなくピンマイクを用いて、ボディアクションを交えながらメモなどを全く見ることなく1時間近く話をする工藤教頭先生の姿は圧巻であった。話の最後で「学校を大学進学のためのツールと考えるなら、大規模校へ行って下さい。聖光は生徒の資質をのばすことを大切にしていますから、それを信頼して頂ける人に来てもらいたい。」という言葉にあるとおり、全国でも最高水準にある大学現役進学率などにはいっさい触れなかったところは、その誇りと自信が伺えた。神奈川県の男子校では実質的には栄光と肩を並べるところまで来ている聖光のこれからに、益々期待していきたい。
(報告 A.Or)
http://www.seiko.ac.jp/

神奈川学園 第4回オープンキャンパス
11月22日(土) 10:00〜12:00 / 1:30〜3:30
模擬授業・クラブ活動に参加・体験できます 
父母の方は、お子さまといっしょに模擬授業やクラブ活動を見学することもできますし、同時に開催される「父母説明会」に参加することもできます。
午前・午後に開催しますが、どちらもほぼ同じ内容を実施します。 

個別相談会(場所は本校会議室) 
12月25日(木)〜27日(土) 10:00〜12:00の間随時 
1月6日(火)           10:00〜12:00の間随時
http://www.kanagawa-kgs.ac.jp/

洗足学園 教育懇談会報告(03年7月28日)
校長 前田先生
今年度の洗足学園の目標は「限りなき挑戦」
1)謙愛の心を育む・・教育理念
洗足学園の名前の由来・・創立者がクリスチャン。聖書の中から洗足の名前をとる。
お互いの足を洗えるような謙虚な慈愛の気持ち(謙愛の心)を育む。
宗教的な行事はない。年に1回、教会の牧師さんに講話に来てもらうくらい。
2)社会に有意な女性を育てる・・教育目標
大正13年の創立。来年、創立80周年に。
創立当時の社会に有意なということは良妻賢母を意味していた。
現在は社会で活躍、貢献できる女性の育成を意味している。グローバル化(地球規模での競争化社会になること)の進む中では国際社会で活躍・貢献できる女性の育成。
ソニーは、今年、国内の新規採用を400名から200名に減らすが、200名は海外から採用するという。海外のほうにレベルの高い人材がいるから。日本が不況でも、世界的な規模で見れば、知的レベルが高く能力があればチャンスは広がるし活躍の場は与えられるということ。
日本は少子化の中で20年後には労働人口が400万人不足するといわれている。それだけ女性の働く場が大きく開ける。
ホンダでは、若い社員に、困難なことに挑戦する気持ち、忍耐力を持って欲しいと言っているとのこと。忍耐力=我慢するということ。今のままでは日本の子供たちは国際競争の中で生き抜いていけないのではないか。
3)キーワードは進路
そういう状況の中で、学校として何をすべきかと考えたとき、洗足の6年間のキーワードは進路。
大学は通過点であり最終目標ではない。大学の先の社会を意識した進路指導を行う。
よい刺激は良質な行動と意欲を引き出すと言われる。特に13歳〜18歳の1年1年の重み、密度は全然違う。外面のみならず内面的な成長が大きい。学年に応じた刺激をどう与えていくかが学校に求められる。
4)生徒指導にあたり
学校も一つの社会(家庭も小さな社会)であり、社会に貢献するために、学校という社会でまず社会性を身につけることが必要と思っている。
中1は一番大切な時期。生徒の内面の変化に気づくには、日頃から生徒の顔をしっかり見ていくしかない。
いじめは、生徒同士のコミュニケーション不全や生徒の幼児化傾向が原因になっている。
いじめに関しては、されている方がそう思ったら、学校としてはいじめとして対処する。
入学後の最初のグループから、すこしずつ好き嫌いが出てくる中で、グループの再編成が行われる。その時に以前のグループの仲間から変な目で見られていると感じる生徒が出てきたりする場合がある。
不登校やうつ病などでは学校の手に負えない場合もある。そうした際には、学校と保護者がチームを組んで接していかないといけない。学校と保護者がある程度同じスタンスになることが必要。
5)基本的習慣の確立・・中1、中2
*ルールの遵守・・なぜ学校にはルールがあるのか。ルールは規制するものではなくお互いの安全を守るものだということを説明する。ただ、あまり細かいルールはチャレンジ性を損なうので設けない。
成田事件(生徒が学校には医者に行くので午後からの登校になると言いながら、成田空港に某スターの到着を見に行く。ファンが待ちかまえる様子がテレビで放映され、その際、制服姿の本人が映り、卒業生や保護者から学校に連絡が入る。本人はそんなことは知らず午後から学校に出てくる。)の際も停学や退学処分にはせず、学校の名誉を傷つけたのだから、何か学校に貢献できることをしなさいということで、3週間カフェテリアの掃除を行なってもらう。
親からもらった体を傷つけてはいけないということで、茶髪やピアス、マユ剃りは注意をしている。
*マナーを身につける・・挨拶は声を出すことに意味がある。制服の着こなしも乱れている生徒個々に注意をする。その場に合わせたTPOもマナーの一部。
* プライドを持つ・・自分自身だけでなく学校にも。
プライドを持つことが何かを行うときの力になる。
6)国際理解教育・・よい刺激の一つとして。
ネイティブが英語を楽しむ授業を行っている。授業を通してネイティブが育った環境による物の見方、生活方法を知る。
中2では放課後HI−HELPPをTOFLE受験用に行っている。(週2回、50分)
最初は670点中300点くらいだが、500点を超える生徒も出てくる。(日本人の英語教師の平均が530点くらいと言われている)
現在は、HI−HELPPの受講は希望制だが来年からは中2の授業の中で行う。
その上に語学研修(中3以上対象)、留学制度(中3、高1)がある。
中3では4ヶ月(寮に入って)、高1は1年間(ホームステイ)の留学制度がある。年々希望者が増えており、留学受け入れの提携校を中3は1校から2校に、高1は1校から4校に増やす。この制度では戻ってきたときに学年の足踏みをしないで済む。
3月にミニ国連(高連国際高校)に2名参加(日本は他に4名)。92ヶ国から400名近くが参加。子どもの人権について国連の本会議場を使って3日間シンポジウムを行う。そこで日本人は誰も発言できなかったとのこと。頭で考えているうちに話題がどんどん進んでいってしまう。同世代が集まる中で発言できる機会と能力を作る必要性を感じる。
7)ボランティア・・中2のテーマ
相手が喜ぶことがボランティア。自分ができることからやっていけばよいと話している。
夏休みの課題として施設や保育園の手伝いに行く生徒が多い。
地区のお祭りの際に役員の人に何か手伝わせて欲しいと言っても断られる。そこで自分たちで勝手にお祭りの会場になっている公園のゴミ拾いを始める。それを見た役員の人が子供たちだけにやらせてはおけないと一緒にゴミを拾い感謝される。
8)社会を意識させる・・中3
高校から音楽科を志望する生徒は自分の志望でよいのか悩み出す。
周りの生徒がそれに刺激される。
キャリアガイダンスとして社会で活躍している人に(多くは保護者)講演をしてもらう。
9)高2、高3で進学体制に
高2で文系、理系分け。現在は、6クラス中4クラスが文系、2クラスが理系。共に1クラス国公立クラスがある。理系志望者が年々増えている。文系、理系の選択は本人の希望を優先する。
大学入試では自分でどれだけ勉強したかが問われる。わからないからすぐに質問では力がつかない。
今の日本の大学はコツコツ勉強した生徒は合格する。センスは問われない。
そのために中1はまず自分で勉強する習慣をつける。
小テストでは80点をとるまで再試。5〜6回繰り返す生徒もいる。そういう生徒はやっていない生徒。
中1は同じ授業をやって再テスト。
中2はプリントで解説して再テスト。
中3は自分で見直して再テスト。
2002年以降の教科書は教材として使えない。洗足のカリキュラムに合わせた教材を用意する。
英語・・プログレスを抜粋しながら使用。今年から中1は新しいプログレスになる。
数学・・中2までに中3の内容を終了。中3の前半でその復習。その後高校教科書に。
国語・・今年から独自教材(洗足国語)を使用。
学力の定着のために、到達度の遅れている生徒に対して中学では英、数、国の指名補習がある。週3回(3教科の)指名補習の生徒もいる。自学自習の習慣ができていない生徒。
大学進学に関しては基本的には授業で大丈夫。洗足のカリキュラムを80%くらいマスターしてくれれば、センター試験で80%取れる学力をつける自信はある。
中3からは夏季講習で進んだ生徒の補習も行っている。本格的な講習は高2から。
勉強合宿(1週間)も高2、高3対象に組まれている。勉強のしかたを定着させるために第二グループの生徒を対象に実施。トップグループの生徒は学校の自習室で勉強している。
勉強合宿では9:00〜20:00まで授業が組んであり、その間の授業を自由に選択。食事の時間だけは決まっているが、消灯時間や起床時間は決まっていない。自分のペースに合わせた勉強方法を定着させる。卒業生もチューターとして手伝いに来て勉強のしかたの相談に乗ってくれる。
進学データーの見方(資料4P参照)
評定平均は高校3年間の平均。
評定平均で1番上の早稲田大学商学部の生徒は指定校推薦で進学。4番目で東大文3に進学した生徒はスカッシュ部の部長をやっていた。2名とも予備校に行っていない。学校の授業と補習だけで合格したことは教員にとっても進学指導の上で自信になっている。
3番目にある中央大法学部に進学した生徒は早稲田、慶応、上智にも願書を出していたが中大に合格したら受験は終了。本人の第一志望が中央大の法学部だった。
在校生の意識は年々高まっている。2年続けて東大への合格者が出たので自分たちもという気持ちになっている。
10)進路指導
進路ガイダンス、大学の模擬授業を実施して大学ではどんなことをするのかについて知ってもらう。卒業生による学校紹介も行っている。
同じ進路希望の生徒で集まって職場体験に行くことも。先日も医学関係への進路希望の生徒14名が集まって、心臓外科手術の見学に行く。生徒にとっては想像の世界だったものが現実の世界のものとして経験できる。絶対自分は医学部に行くと決意をした生徒と、自分にはとても無理だと感じた生徒がいる。
進路のキーワードとしては学校が生徒によい出会いの場を提供すること。
出会いの場の最たるものは授業。授業はたんに学力や知識をつけるだけでなく、先生の生き様、考え方が教科の指導を通して伝わる。それを通して自分の将来を考える生徒もいる。
英語の授業でアメリカに興味を持ちアメリカに留学した生徒がいる。その時に国連を見学して国連の平和維持活動に興味を持ち将来国連で仕事がしたい。そのために司法関係に進みたい。特に教員志望の生徒は先生の影響が大きい。
しかし、中高時代によい出会いがあって自分の進路が見つかって、大学を選択する生徒は30%くらい。見つからない生徒にはよい出会いのある可能性の高い大学を見つけなさいと言っている。それにより自分の進路が見つからないことに不安を持っている生徒に当面の目標を与える。カウンセラーが2名いるが高校生の相談で一番多いのは進路のこと。真面目な生徒ほど自分が将来何をしてよいのか全然わからず不安になっている。
当面の目標を達成するためにはまずは学力をつけることと生徒に話している。
読書もよい出会いの一つになる。月に1冊ずつ読んで読書感想文を書く。
全教科から推薦図書をだし、いろいろな分野から読書を勧める。
アメリカの大学に進学したいという生徒がここ2年間4名ずついた。
スタンフォードとバークレイは不合格。ユタ州立とイリノイ州立には合格。
落ちた生徒はTOEFLで627点持っていたが小論文と面接ではねられる。
アメリカの大学では留学生に、その国に戻ってリーダーとなれる資質を求めている。
1つは学際的研究のできる幅広い資質。
もう1つは6年間にどのような学校生活を送ってきたか。生徒会やクラブ活動を通じて人をまとめる経験をしてきたか。教科の成績がよいだけではダメ。
洗足学園大学に国際交流支援センターがあり、大学の英文科に28名のネイティブがいる。その先生達と協力してアメリカの大学を目指す生徒のためのサポートを行う。
中高の時代にどういう生活をしたかというのはアメリカの大学に限らず、自分の将来にもつながってくるので、いろいろな面で積極的に取り組んで欲しいと思っている。
11)行事・自治活動
生徒が主体で教員は黒子という姿勢でいる。・・今年から。
体育祭も全て生徒の手で運営。高2が中心となって。
競技種目の決定、運営、チーム編成等を全て生徒の手で行う。
誕生月でチームを編成。1チーム400人の4チーム編成。
400人をどうまとめていくか心配したが、体育祭に向けて自主的に会合を開いたりして、当日の運営は教員がやるよりスムーズに行く。達成感で終わった後の感激が強かったようだ。体育祭終了後の行事ノートを見ると、来年に向けてすでにスタートしている。
洗足祭も実行委員長を中心に生徒達で計画、実施。
12)クラブ活動
低学年ほど参加率が高い。学校生活を楽しもうとしている。
競技性より生徒が中心となって人間関係を学ぶ場として考えている。全国大会で活躍するような強い部はない。それでも陸上部で中学から始めた生徒が関東大会に出たりしている。
ダンス部や吹奏楽部の人数が多い。
クラブ合宿の参加率も高い。
活動は年々活発になっている。積極的な生徒が増えている。
週4回以内が目安。勉強とのメリハリをつけるために原則として土曜日曜は行わない。
部活をやっていた生徒の方が大学受験でも最後の粘りが違う。
13)洗足学園の今後の課題
人的環境の整備。
どんな教員や職員が生徒と接しているのか。どんな先輩がいるのか。学校に足を運んで確認してください。
14)質問
1、 調べ学習について
中1、中2では簡単なテーマに関しての調べ学習を行い、中3で個人の研究論文をまとめる。自分で興味、関心のあるテーマを決め調べる。全教員が何名かの生徒を担当してサポートする。それが高校の小論文につながっていく。
2、 宿題について
多すぎるという声もあれば、少ないという声もある。
学校としては、生活規律がしっかりしている生徒が増え自学自習ができるようになってきたので、宿題よりは小テストで学力の定着を図る方向に進んでいる。
3、 2科4科入試に関して
判定はまず2科で合格者の8割を決定。残りの2割は残った4科の受験生の中から決定。
補欠の順位をつけるときは2科の成績順に決めている。
4、 入試日程の変更に関して
04年入試は2月1日、2日、4日で実施。
これまで2日、4日、6日で行ってきて、テスト会の評価では後ろに行けば行くほど難度が上がっているが、学校の感触としては2日、6日、4日の順で難度が高かった。
04年はミッション校の入試日の移動があるので、6日を1日に持ってくることによって洗足志望の生徒に受けやすくするとともに2日の難度低下を防ぐ。
04年は1日、2日、4日の順の難度になるのではないか。
05年以降の日程がこのままになるのかは現時点では不明。気持ちとしては1日を残したいが、2日、4日、6日も捨てがたいと思っている。
5、 授業5日制に関して
5日制になって1日の学習時間が長くなる(8:40〜15:40)。二期制になったこともあり、6日制の時より授業時間が100時間以上増える。6日制のときは授業を潰して行事を行っていたが、今は土曜日に行事を行っているので月から金は授業がそのままできる。
指名補習の生徒は朝から暗くなるまで勉強しているという状態。
部活も平日は時間が短いので時期を見て土曜、日曜も行えるようにしている。
生徒からも土曜、日曜に部活をやらせて欲しいという要望が強い。

来年度入試問題について(学校配布資料より)
【国語】
 来年度の入試間題は、昨年度と同様の形式(説明文 物語文)になります。配点や記述問題の量も昨年度と同様です。入学しますと、国語科の目標である「間題とする対象を様々な関係の中でとらえる思考法を身につける学習」を基本にして多様な文章を読んでいくことになりましょうから、文章の質としてはやや硬いものから比較的平易なものまで幅広く出典文を探り、出題しています。
ただ、例年通り、あまりに難解な問題は決して出題しませんからご心配なさらないで下さい。ここ数年の過去問題を繰り返し解くなどして本校の出題パターンに馴れ、そして日頃から本や新聞を読む習慣を身につけておいてください。
【算数】
く出題方針>
 昨年度とほぼ同様。以下のような力をみるため、様々分野から出題予定。また昨年度から導入した部分点を見る問題も出題する。配点は傾斜配点で行う。
 ・基本的な知識・処理能力
 ・応用カ
 ・総合力
 ・諦めずに問題に取り組む姿勢
 ・問題分析能力
〈出題方針〉
 昨年度とほぼ同様。計算問題・一行問題・図形・関数等で構成される。過去問を良く研究し、たくさん問題演習をし試験に臨んでほしい。また、計算に時間が取られないよう、早く正確に解く練習も必要である。
※筆記用具以外に必要なものがある場合は(昨年度の定規のように)全て本校で用意いたします。
【理科】
 理科入試問題は、例年物理、化学、生物、地学の4つの分野より出題し、各分野の出題割合(配点)はほぼ同じで、それぞれ18点前後です。ただし、各小問は難易度により2〜4点の傾斜配点に、また1〜3回入試の各回に2題程度、15字〜25字で解答できる記述問題を出題します。
 全体的に問題の難易度は中学入試としては基本的なものが多く、参考書や問題集などで勉強していれば、容易に解答できます。ただし、身近な科学的現象やニュースなどで話題になったことを出題することもあるので、日頃、それらに関心を持っていることが大切です。つまり、知識の単なる暗記ではなく、「なぜなのか」「どうしてなのか」ということが科学を勉強していく上で、最も重要と考えるからです。
昨年度の出題は以下の通りです。
第1回 物埋(音に関する実験と滑車によるつり合いを組み合わせた問題)
     生物(身近に見られるタンポポについての問題)
     化学(気体発生の基本的問題ですが、ロケットの燃料にもふれています)
     地学(有名なアンモナイトや三葉虫の化石についての問題)
第2回 物理(電気エネルギーが熱や磁力へ変わることについての問題)
     生物(アブラゼミを林料とし、昆虫のからだに関する問題)
     化学(紫イモのしぼり汁による酸性、アルカリ性の違いについての問題)
     地学(河川の堆積作用や運搬作用に関する問題)
第3回 物理(回転する円盤上の物体の見え方に関する問題)
     生物(メダカの発生や生息環境に関する問題)
     化学(気体の発生と性質についての問題)
     地学(太陽高度と地球の自転に関する問題)
【社会】
 出題の傾向・形式は今年度入試問題を踏襲します。地理・歴史・公民の3分野からバランスよく出題し、1行程度の記述問題も数問出題します。「入試のための学力」ではなく、「中学高校の社会科学習の前提となる基礎力」を身につけているかという観点で問題を作成します。
具体例は以下のようなものです。
・いわゆる奇問難問の類は出題しません。
・基礎的な世界地理を出題します。日本と関連の深い西ヨーロッパ諸国(EU加盟15ヶ国)、東アジア諸国(中国・韓国・北朝鮮)、北アメリカ諸国(アメリカ合衆国・カナダ)の位置と首都の名称程度は身につけておいていただきたいと思います。
・さまざまなことがらについて、「なぜそうなるのか」という問題意識をもって学習していただきたいと思います。統計上の順位にしても、ただある年の順位を丸暗記するのではなく、「なぜそのような順位になるのか」、「どのような理由によりどのような経年変化が見られるか」といった観点で学習を進めていただきたいと思います。
・各分野の重要事項については、漢字も正確に覚えていただきたいと思います。
(報告 A.A)
入試問題説明会
日時    12月21日(日) 9:00〜
持ち物   筆記用具(上履き・昼食は必要なし)
対象    洗足学園の一般受験を考えている小学校6年生
申込方法 申込書に記入の上12月15日(月)までに郵送またはFAX
申込書はアクセスの受付にあります。
http://www.int-acc.or.jp/senzoku/

横浜雙葉 学校説明会報告(03年11月1日)
1)学校長の話 漆原校長
中学入試という目標に向かって努力していることが、その先の人生にとっても大きな意味を持つように願っている。小学校6年生で大きなハードルに向かっている姿勢は、ある意味で人間を作っている。そういう見方で過ごして欲しい。
横浜雙葉の教育のめざすもの
これまでもいろいろな形で横浜雙葉の教育について説明していますが、今年最後の説明会なので、今日はその総括のつもりで、横浜雙葉が生徒をどのような人に育てたいのかを説明したい。
1 喜びに生きる人
自分が生きていることを喜べる人とそうでない人が現実にいる。自分の生きる意味さえわからない人がいる。喜びに生きる人は、自分が自分として生きていることの素晴らしさがわかり、自分と関わる人や周りの全てを自分への贈り物として受けとめることができる人。自分の存在や周りの人の存在を肯定的に受けとめることができる。それが人として育つための土壌となる。
2 真理を愛する人
自分の立場をうわべの損得で主張することが多い。もっと深いところにある普遍的なものを感じることが大切。今の自分が絶対と思うことが衝突の原因になっている。
本来の真理には誰も到達していないという気持ちで、真理を追究する姿勢がないと一致に向かうことができない。何が得かという観点ではなく、何が真理かを大切にしていく。
3 現実を生きる人
抽象的な理念に生きるのではなく、自分の周りの現実を理解しそれに直面して生きることができる。現在の若者の危機として、現実と非現実の区別が付きにくくなって、現実に直面する能力を失いつつある。
祈りを紹介・・横浜雙葉の教育目標をよく現しているものとして。
毎朝、朝礼はこの祈りから始める。
「私たちを平和のために役立たせてください。憎しみのあるところに愛が、争いのあるところに和解が、分裂のあるところに治が、疑いのあるところに信頼が、誤りのあるところに真理がありますように。」
平和のために役立たせてくださいという言葉は、横浜雙葉がなんのために卒業生を送り出しているのかを一言で表している。
社会に出て人々の幸福に貢献できる存在になって欲しいということはもちろん、平和に役立つ人になって欲しい。平和というのは国際的、政治的なレベルというのではなく、自分の所属する社会、共同体、個人の内面における平和に役立つ人になって欲しい。
憎しみや、争い、分裂などは諸問題の根源として21世紀になってもなくならない。横浜雙葉の生徒にはその対極にあるものを大切にして欲しいと言い続けて行く。
「絶望から希望へ、悲しみから喜びへ、闇から光へ」
この言葉を若者に訴えたい。全体的に絶望や悲しみに耐えられなくなっている。落ち込みやすくなっている。どんなに苦しくても光は必ずあるという希望を持って欲しい。
生徒には自分の生き方を見せることによって希望を与える人になって欲しいと話している。そのためには、自分自身が必ず光があると確信していなくてはできない。
「なぐさめられることよりもなぐさめることを、理解されることよりも理解することを、愛されることよりも愛することを私たちが求めることができますように」
今は癒しということがしきりに言われるが、自分が癒されようとしている。自分がどうしたら人を癒せるかがほとんどない。自分が癒されない、愛されないのは他人や社会が悪いと人のせいにする。
人をなぐさめること、理解すること、愛することができますと堂々とは言えなくても、そういう人間になりたいと本心から求める人になって欲しい。
こうしたメッセージはたんに説教や校長の話で伝わるものではない。生徒と教師、生徒と生徒の関わりの中で伝わるもの。
横浜雙葉の教育の特徴を別の言葉でいえば関わりを大切にする学校。関わりを通して開かれた生徒を育てたい。
入試に関して
横浜雙葉は学校と関係ががないと合格できないのではないかという声があることに驚くことがある。私立なのだから加味してもよいのではという声もあるが、そういったことは一切ない。受験生に差をつけることをしたくない。これまでに出会った人も大切だが、これから出会う人も大切。初めての出会いが永遠に続くかもしれない。
面接を気になさる方も多い。確かに多くの学校で面接を廃止しているが、横浜雙葉は面接を大事にしたい。それはこれまでお話しした横浜雙葉の教育目標に関わることだから。
学校教育においては学校と保護者との関わりの中で子どもを育てていくことが必要。面接は関わりを大切にする教育の現れ。学校説明会や入試も機械的なものではなく一つの出会いと思っている。
入試は受験生にとっても学校にとっても大事なこと。入試をただ書類上だけで判断するのは淋しい。一度お目にかかって、短い時間ではあるがご挨拶をしたい。
面接は合否の査定には加味されない。ボーダーラインの場合に参考にすることはある。
口頭試問ではない。素晴らしいスピーチをしてもらう必要はなく、ありのままに答えてもらえればよい。一生懸命に答えようとしてくれれば、その子の良さが伝わってくる。緊張のあまり涙を流す子もいるが、何のマイナスにもならない。その意味では練習をしてこない方がよいかもしれない。
子どもにとっても面接がよい経験になっている。面接でこんなことを聞かれたとか、面接で約束したことを6年間守ったという話を卒業生から聞く。
2)中学入試の出題方針 各教科から
国語
読み書きはその生徒の人間らしさや自我の確立の上で大事なものと考えている。6年間をとおしてその力をつけていく。入試問題は入試の観点からだけで作成するのではなく、普段考えていることや感じていることを、入試問題を読んでくださる人に一つのメッセージとして作成しようという意図もある。今春の入試問題では、人間として生きるということをどう考えていったらこれからの社会をうまく作り上げることができるかを問いかけてみたいという意図があった。
社会的な視野や社会性をつけるために、新聞の易しいコラムを読んで、自分なりの感想や考えをまとめてもらうとよい。
ことわざ、慣用句に関しては同じような意味のものや対義語てきなものをまとめて覚えるような勉強のしかたが効果的かと思う。
漢字に関しては書くことをおっくうがらないこと。その際ていねいに書くこと。
文章読解において小説的な文章で中心となるのは登場人物の心理の推移や、登場人物のおかれた状況での心情の読みとり。評論的な文章では全体の論旨(何を訴えたいのか)をつかむこと。テーマなにか、キーワードは何かを段落毎に追いながら全体をまとめる練習を。
記述問題をとおしてその子の国語力がわかると思っている。
記述問題はあきらめずに書いて欲しい。
算数 
小学校で習う全ての分野が試験範囲となるように問題を作成。
問1 一行問題 だいたい半分の配点
問2、問3 大問 
問題の形式を大きき変えるつもりはない。
一部の問題で途中の式や考え方を書いてもらう。答が違っていても考え方が合っていれば点数を与える。
定規やコンパスが必要な場合は学校側で用意する。
入試で最後にものをいうのは地道な積み重ねをしてきたかどうか。
理科
出題方針に大きな変更はない。
4分野から均等に出題してきた。今年も4つの分野の偏りのない力を持っている生徒に入学して欲しいという気持ちは変わらない。4分野から出題することも変わらない。ただ、分野の境界を超えた総合的な力を図る問題を出題する予定。
知識、計算の問題では点数に差がつきにくく、実験、観察の考察問題で差がつきやすい。
高3の生物の授業で魚類の脳について勉強したところ、翌日、医学部志望の生徒が「昨日の夕食がサンマだったので、焼く前に脳を切り開いてみたらサンマの細い頭部の中に脳が入っていて作りがわかった。」と言ってきた。
実験、観察にこだわるのは、小学校時代の直接経験はその子にとって一生の宝になると思っているから。小学校時代の経験が大学志望の動機になっていることが多い。
残り3ヶ月で、小学校の教科書に載っている実験観察についてはもう一度見直しておいてください。作図問題では自分で問題を想定して書いてみたらよい。
社会
地理的分野、歴史的分野、公民的分野からほぼ均等に出題。配点もほぼ均等。
小学校の4、5、6年生の教科書の内容を中心に出題。基本をしっかり学習してください。
解答は基本的には漢字で書くこと。文章で答える問題は部分点を考慮している。
過去問を参考に各分野をまんべんなく学習してください。
全体として
4教科の合計点で判定。例年65%の得点が目安。
入試まで3ヶ月しかないと思うのではなく3ヶ月あると思って学習に取り組んでください。
少しでも子供たちのよいところを見たいので、採点に時間をかけている。そのためにどうしても翌日発表になってしまう。
3)入試要項に関して 齋藤先生
03年入試結果
応募者数 285名
受験者数 279名
合格者数 110名
入学者数 103名  繰り上げ合格はなし。
雙葉小   85名  188名でスタート。
合格最低点 264点(400点満点)
04年入試
試験日が2月2日に。発表は2月3日に。
小学校の通知表のコピーは2学期(二期制の場合は一期)までの記載があればよい。
受付初日は9:00までに来られた方には整理券を配って、9:00に抽選で受付の順番を決める。早くから並ばれなくてもよいようにと抽選にしている。
面接は事前の6日間の土曜、日曜を使って実施。原則として受験番号順に行うが日時の希望があれば出願の際に申し出れば相談に応じる。
面接は受験生本人と保護者1人。
志願票の記入は記入例を参考にしてもらえれば。
写真のサイズは添付欄にピッタリのサイズでなくてもよい。カラー、白黒どちらでも可。
服装はリラックスして試験が受けられる服装で。
体調不良の場合は別室受験もできるので遠慮なく申し出てください。
国語−算数−理科−社会の順で実施。科目の間に10分−15分−10分の休憩時間がある。12:35に終了予定ですので昼食の用意は不要。
当日の保護者控え室は講堂が控え室に。
公共交通機関の遅延による遅刻は別室を用意して時間を繰り下げて実施。
それ以外の理由による遅刻の場合は筆記試験開始後15分までは入場を認める。
学校説明会は今日が最後だが、毎月第3土曜日に6年生とその保護者対象に行っている小規模説明会を行っており、11月、12月も実施。事前に電話で予約を。
4)追加
地下鉄みなとみらい線が04年2月1日に開通。新しくできる元町中華街駅から徒歩8分に。渋谷から37分で着く。

入試問題に関して(配布資料より)
【国語】
 しっかりとした読み書き能力を身に付けることは、自らの人間としての尊厳を獲得する基盤になるものです。特に国語力として必要とされているのは、正しい言葉遣いや文章理解の能力、さらに自己を柔軟に他者に対して開く書く力、話す力であると考えています。入試では、その基本線に沿った出題をしております。
 例年の出題分野としては、漢字やことわざ・慣用句・敬語その他の言葉の問題、読解問題としては二題出題しています。
 漢字やことわざ・慣用句、そして敬語の使い方などの言葉については、日ごろから書きと読み、意味の学習、正しい言葉の使い方の理解を心がけていただきたいと思いますし、その場の文脈にあった用法・使い分けなどについてもきちんと整理して学習しておいてほしいと思います。特に漢字については、読めても正確に書けない生徒が増えているので、手を動かして書いて覚えることをしてほしいと思います。
 文章読解については、基本的語彙の理解や文脈的理解に立脚した正確な読解を求めます。要所要所の文脈理解は正確か、さらに文章の総合的な論旨の理解などについても正確な把握ができるように学習しておいていただきたいと思います。
 なお、記述問題の採点にあたっては、部分点を考慮しています。
【算数】
 算数の出題分野は、小学校6年生までに習うすべての分野が試験範囲となるように問題を作成します。すなわち、計算問題から始まり、面積や体積の測定、割合と比、関数とグラフ、図形の性質など、特定の分野にこだわることなく、問題レベルも基本から応用まで、幅広く出題しています。問題形式については、いわゆる一行形式の問題を数題、大問を数題というスタイルは例年と変わりません。もちろん、年度によって、大問に当たる問題の内容が図形になったり、関数になったりと変化していますが、いずれの場合も、基本事項の定着を測るとともに、思考力や応用力、論理牲、算数のセンスなどを入学試験を通して測ろうとしています。
 過去、グラフを描かせたりする問題を出題したこともありますが、必要な場合には定規やコンパスなどを学校の方で用意いたしますので、準備する必要はありません。また、部分点については問題の難易度によって一部与えていることもあります。来年度の入試については、今年度と同様、一部の問題で途中の式や考え方を答案に書いてもらうような問題を出題する予定にしています。
【理科】
 理科では、児童・生徒が好奇心や探究心をもって、自然に親しみ、目的意識をもった観察・実験を行うことにより、科学的に調べる能力や態度を育てるとともに、科学的な見方や考え方を養うことを目指し、次のような方針のもとに入試問題を作成しています
1 「自然事象への関心・意欲・態度」、「科学的な思考」「観察・実験の技能・表現」、「自然事象についての知識・理解」の各観点をなるべく全て含むようにする。特に、「観察・実験の過程における科学的な思考力や知識、理解を見る問題」や「学習内容を日常生活と関連づけたり、生命尊重・環境保全に対する関心・態度を調べる問題」を出題するように心がける。
2 物理・化学・生物・地学の各分野から出題し、総合的な力も求めます。
3 解答の形式は、記号や用語によるものだけではなく、図を描く、記述する、など多様になるように工夫する。その場合、部分点を考慮する。
【社会】
 社会科では、社会のいろいろなことがらに興味をもち、積極的に学習しようとする意欲的な生徒を育てたいと考えています。出題傾向も、基本的なことがらを確実に理解できているかを見るような内容になっています。大きく地理的分野・歴史的分野・公民的分野の3分野に分け、ほぽ均等に出題しています。地理的分野は、日本のさまざまな地域や国土・産業・貿易など日本に関係した地理を中心に、歴的分野は、日本の歴史上の事件・人物・政治・文化・外交など全般から、公民的分野は、政治のしくみ・経済のしくみ・日本国憲法・身近な現代社会のことがらを中心に、出題しています。また、神奈川県内あるいは東京近郊の小学校出身者のみにしか解けないような出題は避けています。
 問題の解答については、内容や設問にもよりますが、地域・人名・事件名など、基本的には漢字表記を正解としています。ただし、一部の難解な用語や文字などについては部分点を考慮したり、正解とすることもあります。また、短文を書かせる問題(文章題)については、部分点を考慮しています。
(報告 A.A)
http://www.yokohamafutaba.ed.jp/

芝浦工大柏 衆院選の模擬投票を実施
(毎日新聞 9月6日)
 若者の政治への無関心が心配される中、千葉県柏市増尾の芝浦工大柏中学・高校(佐藤正行校長、生徒約1360人)で6日、衆院選の模擬投票が始まった。実体験で選挙や政治について学ぶ試みで、全校規模での実施は「全国でも初めて」(同校)。生徒に強制はしないため、投票率も注目される。
 投票は政党を選ぶ比例代表に限定。各党首の第一声をまとめた社会科通信特集号を生徒に配布し、校内に各党のポスターも張って雰囲気を盛り上げる。各党のマニフェスト(政権公約)も閲覧できるようにした。
 投票は7日まで、昼休みや放課後を利用して実施。校内の昇降口に机と投票箱を置いた投票所を設け、生徒会役員らが立会人を務める。結果は公選法に触れないよう実際の衆院選終了まで公表せず、中立性にも配慮するという。
 前回(00年)衆院選の全国の年代別投票率は、最も高かった60代の約79%に対し、20代は半分以下の約38%。同高の杉浦正和教諭(公民科)は「模擬投票で生徒が政党名や党首を知り、選挙に親近感を持つきっかけになれば」と言う。教育現場には、生の政治の話題をタブー視する傾向もあるが、杉浦教諭は「学習指導要領は選挙の意義を考えさせることしか考慮していない。『投票は当然』という意識づけも教育には必要では」と話している。
 生徒の反応はさまざまだ。「自民党や民主党がどんな政党か分からないし、マニフェストって何?模擬投票も適当にやる人が多いと思う」(高2女子)という声の一方で、「考える機会は早い方がいい」(高2男子)と歓迎する意見もある。欧米先進国など世界の大半の国が18歳から選挙権を認めている。日本では「投票率が下がるだけ」などの消極意見もあるが、今回衆院選では民主、公明、共産などがマニフェストに「18歳選挙権」を盛り込んだ。模擬投票を歓迎する高1男子は「先行きに不安がいっぱいあるので、自分たちの将来は自分で決めたい。今でも投票権があれぱ投票したい」と話している。
http://www.shibaura-it.ac.jp/kashiwa/index.html


公開模試情報

首都圏模試11月 統一合判(11月 3日)
前年比8.6%の増加。男子は9.1%の増加。女子は8.2%の増加。
          03年     02年    01年     00年
男子 4科   5566    4960    4914    4478
    2科   1270    1304    1347    1489
女子 4科   4816    3918    3321    2899
    2科   2938    3250    3527    3986
合計      14590   13432   13109   12852

10月度三模試入試日別志望者数 (抜粋)
アクセス教育情報センター内の会員のページに抜粋版を載せております。

  男子     女子


教育情報

センター試験1 英語聞き取り、受験者に専用再生機を導入へ 
(朝日新聞 11月6日)
 文部科学省と大学入試センターは5日、06年度センター試験から導入する英語のリスニング(聞き取り)テストの具体的な実施方法を発表した。外国語の試験で英語を選択した受験者は必ずテストを受けなければならないようにし、満点は50点とする。テストの音声は試験会場全体に流さず、受験生一人ひとりにヘッドホンつきの専用再生機を配る方法で行う。 
 06年度試験は、今春からの新学習指導要領で学ぶ現在の高校1年生が現役で受ける。文科省は当初、放送設備が必要なことを理由に会場を高校に移す検討をしていたが、再生機を利用することにしたため従来通り大学が中心となる。 
 テストは外国語の試験の時限とは別枠で実施する。時間は20〜30分。他言語の試験を選択した場合は受けられない。大学には英語の筆記試験(200点満点)とリスニングの二つの成績を提供する。英語と他言語との点数の換算法や、リスニングの成績を合否判定に使うかは各大学にゆだねる。 
 再生機は、再生ボタンを押すと1回だけ音声が流れる。再利用コストが高いため1度で使い捨てる。同省によると1台2000円台で、受験者を60万人と見積もると12億円余となる計算。検定料は現在1万6000円(3教科以上)だが、06年度試験の額は05年度政府予算案で固まる。同省は「経費を検定料にすべて上乗せして受験生に負担させるつもりはない」としている。  

センター試験2 04年は58万7千人が出願 少子化で減少 
(朝日新聞 11月6日)
 大学入試センターは6日、来年1月に行う04年度センター試験に58万7389人(速報値)の出願があったと発表した。過去最高だった03年度の確定志願者数に比べて1万5498人、2.6%減少した。センター試験を利用する543大学・短大の入学定員の総計15万2104人に対する倍率は3.9倍(前年度4.0倍)となった。 
 前年度より志願者数が減ったのは99年度以来。04年度は短大が初めて参加するなど利用学校数は過去最多を更新し続けている一方で、高校卒業者が少子化のために92年度の約180万人をピークに減り続け、04年度は約123万人になる見込み。この減少傾向はしばらく続くため、志願者数の伸びは頭打ちの状況だ。 
 志願者の内訳は、現役高校生42万6850人=前年度比1万1165人減▽高校既卒者15万3647人=同4165人減▽その他(大学入学資格検定合格者など)6892人=同168人減。 
 文科省は来春の入試から、大検に合格しなくても、大学の個別審査を受けて認められるか、一部の外国人学校を卒業していれば大学入学資格を得られるよう制度を改正したが、「その他」の志願者のうち制度を利用したのは計59人だった。

小学生の国語力強化 常用漢字の大半読めるように 
(毎日新聞 11月6日)
 文部科学相の諮問機関・文化審議会国語分科会(分科会長、北原保雄・筑波大学長)は5日、小学校の国語の時間を大幅に増やし、常用漢字1945字の大半を読めるようにすることを盛り込んだ報告案をまとめた。学習指導要領が現在、中学3年までに求めている数と同じで、小学校段階では現行の1006字の2倍近くに上る。国民の国語力低下に歯止めをかけるのが狙いで、来年1月末をめどに文部科学相に答申する。同審議会が学校教育の内容に具体的に踏み込んで提言したのは初めて。
 「これからの時代に求められる国語力」と題した報告案は、国語力を身につけるには学校での国語教育と読書活動が重要と指摘し、小学校から読書を重視するよう提言した。「常用漢字の大半を読めるようになれば読書への抵抗も小さくなる」として、現在は週3〜4時間の小学校の国語の授業を大幅に増やすよう求めた。
 読める漢字を増やす方法としては教科書で「心ぱい」「こっ折」などの交ぜ書きをやめ、ふりがなを用いて「心配」「骨折」と表記することも提言した。漢字能力の実態調査の実施も求めた。
 現行の学習指導要領は、小学校で常用漢字1006字が読め、小6時点でこのうち825字を書けるようになることを求めている。
 中学校では卒業までに常用漢字の大半を読めるとともに1006字を書き、文章の中で使う力を身につけることを定めている。
 実際に学習指導要領を改正して国語の授業時間を増やすかどうかは、中央教育審議会の審議を経る必要がある。
◇ことば 常用漢字
 社会生活の中で用い、分かりやすく通じやすい文章を書くために必要な漢字の目安として、国が81年、従来の当用漢字に代わって定めた。計1945字。国語分科会の報告案通りに学習指導要領が変われば、「洗濯」の「濯」や「褒める」「襟」「謀る」なども小学校で読めるよう求められる。

先生もFA宣言 京都府で希望転任制度を来年度から導入
(朝日新聞 11月11日)
 京都市教委は11日、先生が能力や得意分野をアピールして受け入れ校を探す教員版「フリーエージェント」制(FA・希望転任制度)を来春の定期異動から導入する、と発表した。先生の希望を生かしてやる気を引き出すのが狙い。こうした制度は全国でも例がないという。 
 10年以上の経験者で現在の学校に3年以上いる人が対象。自己アピール書を市教委に提出してFA宣言すると、その一覧を見た学校側が「ほしい先生」を指名、校長の面接を経て「移籍」をまとめる。今月末に自己アピールの用紙を配り、来年1月中旬をめどに一覧表を作る。同市立の小、中、高校などの約5300人のうち、対象者は約3100人。 
 このほか、校長が人材を直接募集する「教員公募制」も一部の学校で試験的に導入する。募集要項を配り、学校のホームページで発表するなどして募る。 
 新卒を含めて毎年、1700人規模の異動をしているが、学校側からは「適任者が少ない」、先生側からは「希望が聞いてもらえない」といった不満があり、対策を検討していた。

学力テスト 高校1400校で、2年がかりの全国調査 
(朝日新聞 11月12日)
 文部科学省は12日、国公私立の全日制高校約1400校で学力テストを実施した。2年がかりのテストの一環で、今年は地理歴史と公民の2教科9科目。無作為に選ばれた学級の3年生約10万3000人が対象だ。「学力低下」をめぐる論議の高まりを受け、学習指導要領の内容をどのくらい身に着けているかをつかむのが目的だ。 
 正式名称は「教育課程実施状況調査」。昨年11月には国語や数学など4教科7科目のテストをした。文科省による高校生対象の全国的な調査は40年ぶり。生徒の学習意欲やそれぞれの科目に対する好き嫌いなどを尋ねるアンケートも併せて行っている。 
 文科省は年内にも昨年分の結果を公表する見通しだ。競争につながらないよう配慮して学校や地域単位での分析はせず、全国単位で各問題ごとの正答率を出す。今年分は来年秋をめどに同様に結果をまとめる。 


その他

生活リズムと学力 生活リズムの安定が小中生の学力に反映
(毎日EduMail 11月12日)
 生活リズムが安定し、親の教育への関心が高いほど学力は高い――。大阪府教委が、府内の小学6年生と中学3年生約7000人を対象に、初めて実施した学力と生活実態のクロス調査で、こうした傾向が裏付けられた。成績を上位、中位、下位の3段階に分けると、「家で朝食を食べる」など生活リズムがしっかりした子供の約4割が成績上位に。一方、「学校の様子を聞かない」など親の教育への関心が低い子供の約4割が下位だった。
 調査は4〜5月に実施。科目は小6が国語と算数、中3は国語・数学・英語。平均点は小6が71・1点、中3が62・4点で、いずれも想定平均点を超えたが、説明力や創造力を問う設問の正答率が低かった。
 生活調査では、家庭学習の時間が1時間を超えると、成績上位の割合が高くなり、テレビゲームを1日3時間以上する子供の約半数が下位だった。また、塾に通っていない子供は下位の割合が上位よりも高かった。

進学塾に受講料返還命令 解除制限特約は無効
(日経新聞 11月11日)
 大学医学部専門の進学塾「アムス」(東京都渋谷区)の講習と模試を事前に解約した元受験生が、塾側に受講料など計86万円の返還を求めた訴訟の判決が10白、東京地裁であった。斉木教朗裁判官は「契約解除を一切許さないとする特約は消費者契約法に違反し無効」などとして、請求通り全額の返還を命じた。
 同様の特約を設けている進字塾や予備校にも影響を与えそうだ。
 判決によると、元受験生は昨年5月に同塾の年間模試を、同9月冬期講習を申し込んだが、その後解約を申し入れ、受講料と未実施分の模試の受験料の返還を請求した。塾側は「案内書に『受講講座の取り消しは一切できません』と記載していた」などと契約解除を制限した特約の存在を理由に応じなかった。斉木裁判官は判決理由で「受講料全額を没収するに等しい特約は信義則に反する」と指摘した。
 大学合格後に入学辞退した受験生が前納した授業料の返還を求めた複数の訴訟で、同地裁などは同様の特約について消費者契約法を適用し大学側に返還を命じている。

入試問題に挑戦第96回

<問題>
 商品A,B,C,Dの値段は,それぞれ1個あたり500円,450円,320円,357円です。A,B,C,Dの商品を全部で16個買い,6129円支払いました。
次の問いに答えなさい。

(1) 商品Dを何個買いましたか。

(2) 商品Cを何個買いましたか。

(3) 商品A,Bをそれぞれ何個買いましたか。

(03年穎明館)

入試問題に挑戦第95回解答編

<問題>
 15%の食塩水と5%の食塩水を3:2の比でまぜると【 @ 】%の食塩水ができます。またできた食塩水を火にかけて水分を全て蒸発させたとき,55gの食塩が残りました。このとき,15%の食塩水【 A 】と5%の食塩水【 B 】をまぜたことになります。(03年湘南白百合)

<解答>
 食塩水を混ぜる問題は濃度の平均になるので、ここでは面積図を用いてみます。

 

 また、食塩が55gなので、 55÷0.11=500(g)
 よって、これを3:2に比例配分するので、

  

  

 以上から、@=11、A=300、B=200です。